【目的】
重度の障がいを持ち、医療ケアなどのために通所が難しい就学前のお子さんへの
訪問療育を展開し、早期療育による可能性の引き出しや、
より良い在宅生活を目指して支援したい。
【方法】
当法人では、4年前より元特別支援学校の教師3名による訪問療育
「いるか」の活動を行なっており、今までの延べ利用者は20名となっている。
訪問スタッフはヘルパー資格を取り、居宅身体介護と組み合わせながら療育の時間は
自費を頂いている。平成30年度開始予定の居宅訪問型児童発達支援の創設をふまえ、
制度化に向けての考察を始めている。
【成績】
総合支援法では訪問療育は認められないため、自費での提供となっているが、
子育て中の若い家庭には経済的負担がかかっている。
しかし、在宅を余儀なくされている重心児にとっては貴重な時間であり、
重度の障がい児のケアに戸惑っている親にとっても、子供を見つめなおす
良い機会であると言われている。
また、訪問療育を始めて表情が豊かになったり、
脳波に変化が見られたりといった報告もある。
【結論】
いるかの訪問療育は、居宅身体介護と組み合わせることで
自費の金額を安く押さえて行なっているが本来、子供の支援は社会の役目であり、
障がいの程度や受け入れ先の都合などで差別があってはならない。
現在のような社会的状況が続くことは、差別解消法にも違反することであろう。
どんな障がいがあろうとも子供は子供である。
全ての子供たちの健やかな成長を願い、方法を模索して早期療育を行い、
家族も含めて支援していくことが今、求められていると思う。